来年からと書きましたが、現在太陽光発電を申請している方、検討されている方は、今から関わってくる重要なお知らせです。
「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(通称:FIT法)等の一部を改正する法律」が第190回通常国会にて成立しました。
これにより、平成29年4月1日つまり来年度から固定価格買取制度が変わります。
そして、平成29年3月31日までに電力会社との接続契約を締結されていない場合、原則として現在取得している認定が失効します。
え、ちょっと待て。自分のところでとっている権利は大丈夫なの!?
という不安な方は以下のことをご確認の上、申請を代行された業者さんに一度確認してみて下さい。
※追記 最新のFIT動向はこちらからどうぞ
・平成28年8月1日以降認定を取得する案件についてをチェック 2016年8月8日投稿
・平成29年4月の新FIT法をチェック 2017年3月13日投稿
・平成29年度FIT単価をチェック 2017年3月15日投稿
・平成29年8月31日改正内容をチェック 2017年9月25日投稿
1.接続契約の締結がお済みでない方
新制度では、既に認定を受けている方も、平成29年3月31日までに電力が会社との接続契約が締結できていない場合には、原則認定が失効します。
太陽光発電設備の認定には、
①国(経済産業省)からの認定
②発電した電気を供給する電力会社との接続契約
の2ステップが必要です。②まで済んでいる場合のみ、権利が来年以降も有効です。
「既に認定を受けている方」の「認定」とは、①の国からの認定を指します。設備認定と我々は呼称しておりますが、この認定だけ取っている方は、来年度に入ったらその権利を失ってしまいます。
②まで済ませている方は、来年度以降も権利は維持されますが、
ここでいう「電力会社との接続契約」とは、太陽光発電設備で発電した電気を送る電柱の工事費負担金の支払い契約のことを指します。
各地域の電力会社から工事費の支払書が届いている方は、来年度以降も権利が維持できます。あくまで、契約をすればいいので、記載されている工事費負担金を支払う必要はありません。
多くの場合、支払書は申請を請け負った業者に届くため、その業者さんに確認してみても良いと思います。
じゃあ、②まで済んでないよーって方は、もうノーチャンスか?
ご安心下さい。ここで知ることのできた方はまだまだ間に合います。
電力会社への接続契約申請は、各電力会社によって申請が受理されるタイミングと期間がバラバラですが、
中部電力であれば2か月を目安にしていただければと思います。これが東京電力なら1ヶ月、早ければ2週間で下ります。
ところが、設備予定地の場所によっては、新たに電柱を設置する必要があったり、電線が他人の土地や公共の道路の上を通過することで、そことの交渉があったりと、なかなか申請がうまく進まないケースも少なくありません。
場合によっては、工事負担金の算出までに9ヶ月を要することもあります。(特に高圧の場合)
おいおい、9ヶ月って今申請しても2月の終わりじゃねーか。結局やべーじゃねーか。
やばいっすね。
ただここで朗報なのが、
①までしか申請していない方でも、来月6月30日までに電力会社に接続申込みをすれば、例え来年度に申請が下りても今年の単価が確保されます!
これは、「270日ルール」と呼ばれるもので、国からは次のように案内されています。
「接続契約申込みの受領の翌日から270日を経過した 日までに接続契約締結に至らない場合、270日を経過した日の調達価格が適用されます。」
???て方。私も最初???でした。何か不親切なんですよね、こういう文書って。
要するに、今年度申請受理の期限である来年3月31日から逆算して270日より前に申請したのであれば、今年度中に申請が受理されなくても来年以降も権利を維持できます。
その期限が来月の30日です。
もうその期限もたった1ヶ月です。
ただ、ここで知れた人はラッキーです。急ぎ確認することを強くお勧めします。
2.接続契約を締結済みの方
運転開始済みの方など、接続契約の締結がお済みの方については、新制度の認定を受けたものとみなされ新制度が適用されますので、問題ありません。ただ、改正法施工後一定の期間内に10kw未満の設備を除き、書類の提出が必要となります。また、一定の期間内に運転開始等の条件が付される可能性もあります。
電力申請も済まされている方については、基本的に待ちの姿勢で、電力会社かあるいは施工された業者さんから連絡が来ない限りは、特段何かすることはありません。安心してお待ち下さい。
そもそも、何でこんな急に制度が変わって、あたふたしなきゃならないか。
固定価格買取制度(FIT法)を改正する動きはここ1,2年で見られるようになり、皆さんご存知の通り、年々太陽光発電の調達価格は下がってきていますし、
大きな問題は、認定だけ取って設備は設置していない、設置する時期も不明という案件が多すぎることです。
他にも、高単価な調達価格を維持しつつ、設備投資コストが下がった時に設置することで、多大な利益を得ようとする発電事業者が存在することや、
再生可能エネルギーの賦課金による国民の負担増加などといった問題があります。
こうした問題を解消、是正するために今回のFIT法改正が為されました。
今、日本は再生可能エネルギー施策の転換期にあります。
「エネルギー基本計画」で2030年には「約2割を超える水準を目指す」としており、この数値は実は現在設備認定を受けている太陽光発電設備が全て稼働すれば、すぐにでも達成できる数値です。
しかし、前述の通り設置の予定がないものも多く存在していることからも、FIT法を含めた再生可能エネルギー政策には改善するべき点、問題点があります。
政策がどう転換されようとも、最も恩恵を受けるべきは国民です。
国はそこに重点を置くべきで、我々業社もお客様の利益、問題解決に誠心誠意挑んで参ります。