自社圃場

いわた農場

脱炭素時代を地域のコミュニティとともに歩む
ICT × 促成栽培 × 自家製消費モデル農場

スマートブルーいわた農場外観写真 ブルーベリーポット作付け|スマートブルーいわた農場 結実したブルーベリー|スマートブルーいわた農場 榊の栽培風景|スマートブルーいわた農場 収穫した榊|スマートブルーいわた農場

静岡県磐田市南部の田園地帯が広がる一角に2018年に開所しました。コンセプトは「コミュニティ型次世代ICT農業モデル」で、ICT×促成栽培×自家消費機能を備え、効率的な農業の実現により新規就農者の参入を促し、災害時には地域の防災拠点としても貢献する次世代型農業のソーラーシェアリングモデル農場です。
太陽光パネル下部では、ブルーベリーと榊を異なる遮光率の2区画で栽培しています。

所在地静岡県磐田市
作物ブルーベリー220株・榊310株
遮光率ブルーベリー東区画:20%
ブルーベリー西区画:29%
榊:85%
発電容量(AC)198kW
年間発電量約280,000kWh
土地面積3,600㎡
営農者新規就農者
開所年2018年

本事業の特徴

農業ICT機器|スマートブルーいわた農場

ICTとハウス化による快適で効率的な農業

営農環境計測(温度、湿度、土壌EC、PHなど)だけでなく、太陽光発電の発電量や故障も同時に監視し、点滴灌水システム、農場側面のビニールの開閉のすべてを、1つのシステムで完全遠隔制御可能です。また、ライブカメラや生育状況に合わせて移動できる無線カメラを5台導入し、常に農場内と生育状況を監視できます。さらに営農日誌機能も備え、一元的に営農者をサポートし快適で効率的な農業を可能にする営農環境を実現しています。

農業ICT機器|スマートブルーいわた農場
太陽光発電の全量売電と自家消費を両立したソーラーシェアリング圃場
太陽光発電の全量売電と自家消費を両立したソーラーシェアリング圃場

全量売電と自家消費の両立で脱炭素農業を実践

農場上部の太陽光パネルはFIT(固定価格買取)制度を利用した発電量の全量売電と、農場内の機器等(農業ICT、井戸用ポンプ、点滴灌水システム、ビニール開閉システム、夜間照明)で使用する電気をすべて賄う自家消費用パネルの2つの用途に別れています。
全量売電では年間約500万円の売電収入があり、自家消費用途には蓄電池も併設し、農業の天敵である天候の変化による影響を抑えながら、再生可能エネルギー由来の脱炭素農業を実践しています。

防災拠点としても機能するソーラーシェアリング圃場

自治体と防災協定を締結。防災拠点としても機能

平常時は農場内に電気を供給している自家消費用パネルと蓄電池は、災害時には井戸用ポンプと夜間照明、コンセントが利用できる緊急の防災拠点としても機能します。地域の自治体と防災協定を締結しており、停電などの災害時には地域に防災拠点として開放いたします。
実際に、2018年に静岡県の広範囲で停電を発生させた台風24号の襲来時には、いわた農場周辺も全域が停電となる中、地域住民に農場を開放しスマホやバッテリーの充電、炊飯などに活用いただきました。

防災拠点としても機能するソーラーシェアリング圃場
若手新規就農者|スマートブルーいわた農場
若手新規就農者|スマートブルーいわた農場

新規就農支援

当農場の営農者は、元々農機具の修理を行っていた方で、農場の開所を機に本業の農機具修理に加え、当農場で新規就農されました。
いわた農場はソーラーシェアリングの架台を活用したハウス型でICTの遠隔制御を完備、点滴灌水システムによる促成栽培、散水システムを備え、スキルやノウハウの問題を抱える新規就農者でも営農に取り組み易い環境を整えています。

ソリューション

脱炭素農業の実現

2050年カーボンニュートラル宣言、頻度と強度を増すばかりの極端気象から、地方そして企業に脱炭素化が求められる時代。使用電力のすべてを再生可能エネルギーの自家消費で賄う脱炭素農業は、今の時代に則した農業の選択肢です。

農場を基点とした地域コミュニティの形成と醸成

農業従事者の離農と同じく農地も年々減少する中、地域のつながりも以前より希薄になっています。農産物と再エネ電力の地産地消、災害時の防災拠点、新規就農の雇用創出で地域のコミュニティを形成、つながりを強化します。

新規就農を巻き込んだ耕作放棄地の再利用

当農場は元々数十年にわたって耕作放棄地でした。土壌は長年の放棄で痩せていたことから、露地ではなくポット栽培の点滴灌水システムによる促成栽培を選択しました。新規就農者も手間がかからず、耕作放棄地での新規就農を後押しします。

作物の生育・出荷状況

ブルーベリーの生育状況|スマートブルーいわた農場 収獲されたブルーベリー|スマートブルーいわた農場 店頭に並ぶ榊|スマートブルーいわた農場

ブルーベリーは3年目から収穫を開始し、以降、毎年安定した量を収穫・販売しています。露地に比べ生育が早い点が点滴灌水の促成栽培の特徴で、品種によりばらつきはありますが、初夏から8月頃までが一般的な収穫時期とされるブルーベリーにあって、いわた農場では4月から5月にかけてが収穫の最盛期です。一般的な収穫時期より前に収穫、出荷できることで、市場よりも高値で販売できています。品質も毎年安定しており、大きめで甘い果実が多いいわた農場産のブルーベルーには、リピーター様が数多くいらっしゃいます。
榊は4年目から収穫を開始し、需要が高まる年末を中心にJAの直売所等で販売しています。市場で流通している榊のほとんどが中国産ということもあり、日本産かつ地元産の榊は大変重宝されています。水に付けておけば2〜3ヶ月保つ新鮮さがウリで、太陽光パネルの影が生育にあまり日照を必要としない榊に適した栽培環境を構築できており、品質維持につながっています。

農産物の販路

ふるさと納税返礼品のブルーベリー|スマートブルーいわた農場 ケーキ店のブルーベリータルト|スマートブルーいわた農場 農福連携ブルーベリージャム|スマートブルーいわた農場

このほか一般販売はしていませんが、社会福祉法人様と連携して、規格外品の果実をジャムに加工したり、社内販売したりしています。社会福祉法人様との農福連携は、事業としてクッキーやパウンドケーキなどのお菓子類の製造および農作業を手掛けておられる関係で、実現しました。

農場設備

ICT環境センシング

ICT環境センシング|スマートブルーいわた農場

農場内にセンサーを設置し、農場内の気温や湿度、日射量、土壌水分、土壌温度、液体温度、液体PH、太陽光発電の発電量などをリアルタイムでモニタリングしています。得られたデータを基に点滴量を調整するなど、農場内を常に最適化しています。

ICT環境センシング|スマートブルーいわた農場

点滴灌水システム

点滴灌水システム|スマートブルーいわた農場

ハウス内のブルーベリーは専用の養液による点滴灌水で栽培しています。点滴は集中システムで管理され、タイマー制御で自動的に行われています。露地栽培の水やりや施肥などの作業省力化に加え、促成栽培を実現しています。

点滴灌水システム|スマートブルーいわた農場

遠隔監視・制御機器

遠隔監視・制御機器|スマートブルーいわた農場

環境センシングによる遠隔監視はもちろんのこと、農場内にカメラを複数台設置しています。農場内の監視目的のほかに、作物の生育状況も常時確認できます。農場内機器の制御も遠隔から可能で、農作業の大部分をIT化しています。

遠隔監視・制御機器|スマートブルーいわた農場

ビニールの自動開閉

ビニールの自動開閉|スマートブルーいわた農場

ハウスの南北計120mほどのビニールを自動開閉できます。ビニールの開閉は、農場内の温度や湿度を調整する目的で実施します。環境センシングのデータを基に開閉を行い、農場の集中システムで制御しています。

ビニールの自動開閉|スマートブルーいわた農場

井戸・汲み上げポンプ

井戸・汲み上げポンプ|スマートブルーいわた農場

農場開所に併せ新たにさく井しました。汲み上げた井戸水は、点滴灌水の養液に使用しています。

井戸・汲み上げポンプ|スマートブルーいわた農場

散水システム

散水システム|スマートブルーいわた農場

露地の榊区画に設置している散水システムです。榊は乾燥を嫌うため気温や湿度を考慮しながら、太陽光発電パネルの裏側に設置した散水シャワーから適度に散水しています。300株以上ある榊の水やり作業も省力化できています。

散水システム|スマートブルーいわた農場

蓄電池

蓄電池|スマートブルーいわた農場

環境センシング機器、遠隔監視・制御機器、ビニールの自動開閉など農場内で使用する電力は、昼間は太陽光発電パネルの自家消費、夜間は蓄電池からの放電で賄っています。農場内電力は可能な限り自給自足しています。

蓄電池|スマートブルーいわた農場

SS架台のハウス化

ソーラーシェアリングの架台を用いたハウス施設|スマートブルーいわた農場

ソーラーシェアリングでハウス化した事例には、別途ビニールハウスの骨組みを組んだものが多いですが、弊社はソーラーシェアリングの架台を独自開発し二次利用することで、通常のハウスよりも広い内部空間を実現しています。

ソーラーシェアリングの架台を用いたハウス施設|スマートブルーいわた農場

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