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ソーラーシェアリングで失敗する人にありがちな4つの思考

水曜日, 5月 9th, 2018
ブルーベリーソーラーシェアリングの空撮画像

農作物を作りながら太陽光発電も行うソーラーシェアリング(営農型発電)。

2013年に農林水産省より設置が認められてから全国で導入が進んでいますが、

中にはうまくいっていない事例もあるようだ、という情報が業界ネットワークを通じて時折弊社に届きます。

今回はそうしたうまくいっていないソーラーシェアリングの事例から、

「ソーラーシェアリングで失敗する4つの思考」をご紹介します。

 

1.一般的な太陽光発電投資と同じ考え方

これが最もありがちで、最も陥ってはいけない考え方です。

FIT(固定価格買取)制度を利用して、空き地などに太陽光発電を設置し20年間の売電事業を行う、

ということが広く行われています。

20年間の不労所得が、国と電力会社から約束された高利回りな優れた投資商品です。

しかしながら、年々太陽光発電に適した用地は限られてきており、

皆さんもニュース等で見聞きされたと思いますが、

景観を損なうような開発や川岸に設置した太陽光パネルが増水で流された、

という出来事が発生しているように、

太陽光発電の設置に適さない・避けるべき土地で事業を行うことが徐々に増えてきております。

こうした背景があり、農地でも太陽光発電事業が行えるソーラーシェアリングは、

太陽光発電投資のフロンティアとなるわけです。

しかし、ソーラーシェアリングは一般的な太陽光発電より高い位置に太陽光パネルを設置するので、設備費用は割高です。

また、耕作にかかる人件費やこちらも割高なメンテナンス費、農業委員会への農地転用申請費などなど、

一般的な太陽光発電には発生しない費用が多くあります。

これらを考慮せずに事業を始めれば、必ず痛い目に合います。加えて、営農面も疎かにするとさらに痛い目に合います。

 

誤解を招く恐れがあるのでここで断っておきますが、

ソーラーシェアリングの投資事業を否定しているわけではありません。

ソーラーシェアリングの特性をしっかりと理解し、本来の意義を忘れず

耕作者と地権者の保護に邁進し、事業にかかわる全ての人で利益を享受し合うこと

を前提とした事業であるべきです。

 

2.営農面を疎かにする・売電収益第一主義

ソーラーシェアリングは営農を20年間続けることが大前提です。

毎年、その年の収量を農業委員会に報告するほか、3年毎に一時転用の更新が必要です。

毎年の収量報告では、地域の平均単収と比較して8割以上を維持しなければ、

ソーラーシェアリング設備の撤去命令が下る可能性があります。

とは言っても、今年8割が達成できなかったからといって即撤去ではなく、

8割を下回る年が数年続き、改善が見られないようなら撤去対象となり得ます。

通常の農業でも不作の年は必ずあるので、8割を下回った原因究明とその後の改善が重要です。

 

毎日発電量を確認して、毎月電力会社からの振込金額を確認するわりに、営農状況の確認は怠っていると、

収量報告の際に8割を下回ってました・・・と報告しなければならないかもしれません。

また、日射が必要な作物の場合、太陽光パネルの影の影響により、収量が落ちる可能性があります。

そのため、これまで通りの耕作方法では8割を切ってしまう恐れがあり、

施肥の量や時期、回数を変えるなどの対策が必要となることがあります。

 

3.周辺環境との関係性を疎かにする

何においても言えることですが、地域住民からの理解を得ることや環境と共存することは、とても重要です。

ソーラーシェアリングの場合は、「農業」と「太陽光発電」の両面から理解を得て、共存を図ることが求められます。

ソーラーシェアリングは、周りも農地という場所に設置されることが多く、

周りの農地に設備の影がかからにようにし、どうしても冬場には多少影がかかってしまう場合は、

そのことを農地の地主の方や耕作者の方に説明し、了承いただくことが大切です。

また、周辺農地で栽培されている作物と異なる作物を栽培する際も、注意が必要です。

異なる栽培方法を取るので、その影響が周りに及ばないように気をつけます。

ソーラーシェアリングという目新しいものに対する不信感や不安感があるのなら、

一般的な太陽光発電とはちょっと違って、農業も一緒に行うんだということを、

しっかりと理解してもらう必要もあります。

 

これらを疎かにし放置したままにしておくと、役所にまで話が及び事業どころではなくなりかねません。

 

4.太陽光発電の20年と農業の20年を同一と考えている

ソーラーシェアリングの事業期間は、FIT制度における太陽光発電の売電期間20年が一般的です。

太陽光発電にとっての20年とはモノの20年であって、発電能力や設備が20年間維持できるかどうかです。

かわって農業にとっての20年とは人の20年であって、20年間耕作をし続けることです。

太陽光発電設備の維持にも人の手はかかりますが、労力やそれにかける時間という点で、

農業と同じにはできません。

太陽光発電の維持管理業者は、これだけ太陽光発電が普及している中で、

今後20年間のうちは困ることはないでしょう。

しかし、農業従事者の平均年齢が67歳を超えた農業においては、

20年間最初から最後までずっと同じ耕作者というのは考えにくく、

新たに耕作者を見つけるのも、簡単なことではありません。

 

事業を始める段階で、こうした事情を踏まえた事業計画を練る必要があります。

 

 

これだけ聞くと、ソーラーシェアリングはハードルが高いと感じるかもしれません。

実際ハードルは低くはありません。

しかし、最初からこれくらいのことは考慮しておかないと、ソーラーシェアリングはうまくいきません。

現在のソーラーシェアリングは発電事業がメインで、農業はおまけでやっている、

と感じる案件が多く存在しています。

それは、売電収入と農業収入を比べれば仕方のないことかもしれませんが、

我々は農業収入をアップさせ、

農業面に魅力のある農業メインのソーラーシェアリングを推し進めています。

FITに頼れない時代がすぐそこにある中で、

FITに頼らない事業を今から始める必要があるのではないでしょうか。

 

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