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農地に太陽光発電設備を設置する際の3つのコツ

農地に太陽光発電を設置するケースが近年増加しています。

農地は農業以外での使用が農地法で厳しく制限されています。そのため、農地で太陽光発電設備を設置する際には、農地を転用し地目を農地から変更する必要があります。

農地への太陽光発電設備設置を、静岡県を中心に50件上行ってきた弊社がその方法とコツを解説致します。

※この記事で扱う「転用」は、ほとんどの場合農地全面を恒久的に転用することを意味します。

 

 

コツ1. 転用できる農地とできない農地・・・まずは農地区分の確認

農業振興地域内農地 農用地区域内農地 不可
農用地区域外農地 甲種農地 原則不可
第1種農地 原則不可
第2種農地
第3種農地
農業振興地域外農地

 

日本全国の農地は農地法や地域の整備計画によって管理され、農業をする上での条件や周辺地域の状況なども加味され、細かく区分けされています。

まず、農業を振興していくべき地域と、それ以外の地域とに大きく分けられ、前者に含まれる農地を農業振興地域(略:農振)内農地、後者を農業振興地域外(略:農振外)農地と呼びます。

農振外であれば、簡易な手続きだけで農地を転用することができ、他の農業以外の用途での使用が容易です。農振外農地は、周囲を住宅に囲まれたような著しく市街化が進んでいる地域に見られます。

ただ、年々農地が減少し、食糧自給率が先進国内で最低の日本では、農地を保全し維持していく理由からかほとんどの農地は農振農地です。

農振農地でも転用は可能ですが、農振外農地に比べ格段に申請が面倒で、そもそも原則的に転用ができない農地区分も存在します。

 

農業振興地域の詳細農地区分

農用地区域内農地と農用地区域外農地

農業振興地域内農地の次に、さらに農用地区域内の農地か区域外の農地かに分けられ、通称、前者が青地、後者は白地と呼ばれています。

基本的に青地は農地転用ができません

青地を転用したい場合は、農振除外申請を先に別途行い、農振地域から除外されてから農地転用申請を行う必要があります。しかし、この農振除外申請は1年単位で時間がかかり、必ず申請が許可されるとも限りません。そうした事情があり、青地の転用はおすすめしていません。

では白地はどうかというと、白地の中でもさらに細かい区分けがあり、転用できる区分と難しい区分があります。

白地の転用できる農地と難しい農地

白地は農地での利用が望ましいとされる(転用条件が厳しい)区分けの順に、甲種農地第1種農地第2種農地第3種農地とに分けられます。

甲種農地、第1種農地は原則として不許可です。公益性の高い事業のための施設であれば許可され、以前私の父も介護施設用地のために青地と思われる田んぼ2枚を売却していました。が、地域にエネルギーを供給しているという公共性が社会に浸透していない現状では、太陽光発電設備での許可はないでしょう。

ですので、甲種農地と第1種農地は転用許可基準からすれば、青地とほとんど変わりありません。原則不可です。

次に、第2種農地と第3種農地は転用可能です

これら農地は市街地化が進んでいる地域に見られ、周辺に住宅や数百メートル先に市役所や公共施設などがあります。

 

 

コツ2. 農業委員会への打診

農地転用の正式な許可を下すのは県あるいは市町村ですが、実質的に可不可の判断をするのは、農業委員会です。市役所の一部署です。

可不可の判断は農業委員会の裁量次第でもあり、各農業委員会にはそれぞれがあります。

転用の基準はある程度決まってはいますが、各市町村の整備計画や都市計画によりその基準は異なります。よって、全国同じ書類を提出すればどこでも通るという話ではなく、各農業委員会が求める書類、資料を用意する必要があり、そこで打ち合わせが必要となります。

あくまで判断をするのは人であるため、多少の交渉も場合によっては必要です。それが煩わしい際は、行政書士にお願いするという方法もあります。だいたい10万円くらいじゃないでしょうか。

弊社で農地を転用して太陽光発電を設置するのであれば、転用費用は無料です。転用のみのコンサルも案件によっては承っていますので、よろしければお問い合わせ下さい。

 

 

コツ3. ソーラーシェアリングへの切り替え

弊社の一番のストロングポイントです。

農地を転用して太陽光発電を設置した事例が50件以上あると紹介しましたが、その多くがソーラーシェアリングです。

ソーラーシェアリングの場合の農地転用は、通常の転用と異なり部分的に一時転用にて、最小限の面積を転用します。

ソーラーシェアリングのポイントは原則不可の青地でも、太陽光発電設備の設置が可能ということです。これが農地で太陽光発電が広がっている大きな要因です。

青地や白地の1種農地で、転用できる農地がない場合は、ソーラーシェアリングも検討されることをおすすめします。

 

ソーラーシェアリングについては、こちらで詳しく紹介しています。

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