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FIT法(固定価格買取制度)改正直前説明会の重要ポイント3つ

経済産業省・資源エネルギー庁は2月14日、都内で「改正FIT法に関する直前説明会」を開催しました。

今回はその説明会で触れられた改正FIT法の中でも、弊社と関わりの深い2MW未満の太陽光発電と20kW未満の風力発電について解説します。

固定価格買取制度(FIT)の改正に関する法律は今年4月の施行に向け、すでに認定に関する政省令などが公布されており、このブログでも以前に触れていますのでよければそちらもどうぞ。

固定価格買取制度の改正で、太陽光発電は来年からこう変わる! 2016年5月27日投稿

(2017年4月施工改正FIT法について)

・平成29年3月31日までに接続契約(工事費負担金契約まで)を締結していないと認定失効

・「270日ルール」について

・「みなし認定」について

FIT法の新たな改正によって、再生可能エネルギーは本来の姿を取り戻す 2016年8月8日投稿

(2016年7月29日公布第1段省令について)

・10kW以上太陽光発電について、認定取得から3年以内の運転開始を義務付け

・3年を超過した場合、買取価格の低減や買取期間の短縮が行われる ※どちらかを選択する方式と思われる

・パネルメーカーを変更しても、買取価格が変わらない

 

資源エネルギー庁が公表している直前説明会の説明資料はこちらから

 

8月末施行の改正FIT法がわからないと単価変更の危機 2017年9月投稿

(2017年8月31日施工の改正FIT法について)

変更申請の改正;合計出力増加を制限

 

 

これだけは抑えておきたい!4月1日施行改正FIT法3つの重要ポイント

わかりやすいように、最初に最も重要な項目を列挙して簡潔に説明します。

 

・設備認定申請段階で、6つの項目からなる事業計画を提出

「分割禁止」「保守点検及び維持管理」「設備の廃棄」「標識の掲示」「土地の確保」「関係法令の遵守」の6つです。設備の認定基準が厳しくなり、メンテンナンス体制の確立と実施、フェンスの設置義務の明示。

・平成29年3月31日までに接続契約(工事費負担金契約まで)を締結していないと認定失効

電力会社との接続契約締結に加え、工事費負担金の請求書が手元にある必要があります。稼働済み案件は除きます。

・「みなし認定」の事業計画提出の期限と対象案件

原則H29年9月30日までに提出。既に稼働済みの案件も含む全案件が対象で、期限までに提出がない場合は認定が失効する。

 

詳細は以下からどうぞ。

 

 

1.新認定制度「事業計画認定」

新認定制度では従来の「設備」の認定から、「事業」の認定に変わります。設備が基準に沿っているだけでなく、公正かつ公平に長期に渡り安定的に設備が維持され、事業が継続できるという保証が、認定段階で審査基準として必要になってきます。

 

【分割禁止】

認定基準:一つの場所に複数の設備の設置はできない。

審査基準:①申請日の1年前まで遡り、設備計画地の土地で所有者が同じであること

②隣接の地番で同じ設置事業者の計画がないこと。

⇒分割案件の基準がより厳しくなりました。②についてはこれまでと変わりませんが、①についてはこれまでの認定を申請する直前で土地を取得するという行為が無意味になります。新基準では土地取得から1年待つ必要があります。

 

【保守点検及び維持管理】

認定基準:適切な保守点検、維持管理のための体制を整え、実施すること。

審査基準:①保守点検及び維持管理の責任者が明確であること。

②保守点検及び維持管理の計画が明確であること。

設備設置後のメンテナンスが義務付けられます。ただし、現段階ではどういった書類をいつ提出すればよいかは不透明です。また、第三者の侵入を防ぐため、フェンスの設置義務も明示されました。

 

【設備の廃棄】

認定基準:設備を廃棄し事業を廃止する際の計画が明確であること。

審査基準:収支計画において廃棄費用を計上すること。

設備の撤去費用を収支計画に盛り込むことが必要となります。ただし、金額の裏付けとなる見積書等の提出が必要かどうかは明示されていません。

 

【標識の掲示】

認定基準:事業主の氏名または名称、その他の事項を記載した標識を掲げること。※20kW未満太陽光、屋根置き太陽光は除く。

審査基準:設備配置図上で標識を掲示する場所を示すこと。

設備の標識、看板の設置が義務付けられます。

 

【土地の確保】

認定基準:設備計画地の所有権、あるいは確実に取得可能と認められること。

審査基準:必要書類の提出

必要書類:土地登記簿謄本、賃貸借契約書等

 

【関係法令の遵守】

関係法令手続状況報告書の提出。

⇒高圧案件や風力発電で提出していた書類が低圧太陽光発電でも必要となります。各自治体に計画地での設備設置が、国土利用計画法や都市計画法等の申請が必要な行為かどうか確認して報告しなければなりません。申請、許可が必要な場合は、もちろんその許可をもらってからでないと、設備の設置はできません

 

これまでの提出書類に加え、今後は以上の書類の提出が必要となります。

 

 

2.新FIT法施行の前日(平成29年3月31日)までに認定を取得している案件について

いわゆる「みなし認定」の対象となり新FIT法の認定を受けたものとみなされ、新FIT法施行後認定された案件と同等の事業計画の提出が必要となります。

すなわちすべての案件について、事業計画書の提出が必要です。

また、原則3月31日までに認定取得、設備認定の他に電力会社からの連系承諾、それに連系工事費負担金契約が必要です。

こいつが曲者でよく忘れがち、間違いやすいですが、これが3月31日までに(例外もあります)手元にないと接続契約未締結とみなされ、認定が失効しますのでお気をつけを。詳細は上記掲載の過去ブログからどうぞ。稼働済み案件を除くすべての案件共通事項です。

 

・事業計画の提出期限

【原則】

H29年9月30日までに事業計画(接続契約書類添付)を提出します。未提出の場合は、失効となります。また、稼働済み案件に限っては接続契約書の添付は必要ありません。

 

【H28年7月1日~H29年3月31日に認定取得】

接続契約締結から6ヶ月以内。未提出の場合は失効、稼働済み案件に限っては、接続契約書の添付は必要なし。

 

繰り返しますが、稼働済み案件を含むすべての案件で事業計画書の提出が必要です。原則9月30日までに提出がなければ、認定が失効します。

 

・事業計画の提出方法

全案件インターネット上で手続き可能とのことです。詳細な方法、項目、添付書類等については、3月中旬に資源エネルギー庁HPで公表予定とのことなので、続報が来次第こちらでも加筆致します。

 

 

3.来年度と再来年度以降の太陽光発電、風力発電の買取価格

これまでにも当ブログでアナウンスしてはいますが、ここでもう一度おさらいです。

※2017年3月17日追記 来年度単価が正式に決定されました。

太陽光発電 風力発電
10kW以上 10kW未満
H29年度 21円+税 28円 ※1 30円 ※2 55円+税
H30年度 来年度決定 26円 ※1 28円 ※2 来年度決定
H31年度 来年度以降決定 24円 ※1 26円 ※2 来年度以降決定

※1・・・出力制御対応機器設置義務無しエリア。東京電力、中部電力、関西電力管轄エリア。
※2・・・出力制御対応機器設置義務有りエリア。上記電力会社管轄エリア以外。

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